8年越しの花嫁


「8年越しの花嫁 奇跡の実話」予告編

 

病を克服して結婚。感動巨編!というお話。

病気は本人にとっては艱難辛苦だが、外野にとっては美談。残酷。

 

佐藤健と土屋太鳳共演。

女性が正統派だからか男性の顔の癖が目立つ。

 

男性は人間出来過ぎ。

女性は強くて優しい。

二人とも健気。

 

内容は単純明快なので、山も谷も病気以外は特にない。

多少冗長に感じた。

時間の経過を表すためだろうが、もう少し工夫して欲しい。

瀬戸内の風景を見せたいらしく、無駄な背景カットもあったような。

地域振興を目的にするなら、病気を克服よりも実業団の戦いとかの地元を写せる題材は

他にいくらでもあるのだから、余計な邪念は捨てた方が映画として面白いものになったと思う。

 

母親役の薬師丸ひろ子が良かった。

彼女の独特の温かさが画面に救いをもたらしたと思う。

生活の匂いは全然しないのに不思議だ。

 

泣かせるものが見たい人ならいい映画。

 


「8年越しの花嫁」番宣 佐藤健&土屋太鳳

交渉人


The Negotiator (1998) Trailer

 

これ以後日本でも「交渉人」という映画が複数製作された。

契機となった作品。

 

サミュエル・L・ジャクソンとケビン・スペーシー共演。

そういえばスペーシーの性犯罪疑惑はどうなったのだろうか。

 

久しぶりに見たが面白かった。

細かい点は覚えておらず、新鮮な気分で見れた。

 

同僚の殺害疑惑をかけられた警察官が人質を取ってたてこもり、真相究明にあたる。

交渉相手として指名されたのが別の署で関わりのない人物。

仲間に裏切られたから赤の他人に依頼する主人公。

 

容赦なく射殺に動くアメリカの警察。

日本でもこの方向に動こうとしている。

恐ろしい話だ。

人質司法の上に銃撃まで加わったら逃げ場がない。

 

保険金詐欺の事件らしい。

どこでもある事件で、やはり人間の考える事は変わらないな。

 

最後の真犯人は想定外だった。

でもずっと出ている人物で、ぽっと出の犯人ではなかった。

最後まで緊迫感が持続する良い脚本だった。

 

泣かせる場面がなかったのも良かった。

ケビン・スペーシーの犯罪疑惑については不明だが、俳優としての彼は割と好きだった

ので、現状は残念だ。

だが、疑惑を解明してより風通しの良い社会になった方が望ましい。

 

娯楽産業としての米国の底力を実感させる映画。

 


Albino Alligator

ケビン・スペーシー監督作。

犯罪映画らしい。良ければどうぞ。

 

 

にがくてあまい


にがくてあまい(予告編)

 

川口春奈林遣都共演のラブ?コメディー。

美形同士なので目の保養になる。

話は単純明快。

二人の過去を克服する成長物語でもある。

 

部屋を追い出される主人公が偶然知り合った男の家に仮住まいをする。

一戸建てなので部屋に余裕があったので受け入れた男。

二人の関係はどう変化するのか。

 

女性は多少男性が気になるが、男性にその気はない。

逆だったら危険な事態になりそうな場面もあった。

 

恋愛?が表に出ているが基本的には家族の話。

殺伐とした現実に疲れた昨今、貴重な毒はなく笑いはある小品。

疲れた方には気分転換になっていいと思う。

 

最後の二人がどうなるかは視聴者の妄想次第。

個人的には恋愛にならない友情もいいと思う。

美味しそうな料理の数々もいいよ。

 


川口は“にがくてあまい”経験に生牡蠣を挙げる

パズル

 

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ホラー映画の体験ツアー映画。

恐怖を煽る。

緊張感はある。

謎解きは特にない。

 

そんな映画。

 

主人公の女性と恋人の男性に何か遠慮しているような感じが最初からあった。

何か訳ありなのかと思っていたが、これがどうも最後に繋がるようだ。

 

緊張感を味わいたい人にはおすすめ。

映画としての面白味はあまりない。

 


『幸せパズル』予告編

 

口直しにどうだろう。

 

日本のいちばん長い日(1967年版)


日本のいちばん長い日(1967年版)予告編

 

劇場で見た。

劇場で見て良かった。

自宅で見ていたら腹が立って途中でやめていたかもしれない。

 

1945年8月15日の数日前からの、一週間ほどを描く。

ポツダム宣言受諾云々でもめていた政府が、原爆とソ連侵攻で降伏に傾く。

降伏が政府内で決定してから正式に諸外国に降伏するまでの政府部内、特に軍部内の

ごたごたを描く力作。

 

敗戦は動かないのは自明になっても、国内の地上戦で覆すだの、国内の男子一千万を

投入するだのと、無茶苦茶を言う軍人。

第二次世界大戦初期は現場と司令部を行き来するのが当然だったが、戦況が危うく

なってからは、現場を知らない人間ばかりが司令部にいて、机上の理論を振りかざして

無茶な作戦を立てるようになったとか。

 

わめいている軍人たちが現場を知らないから威勢のいい連中だというのに思い至る。

前線の兵士も、国民も飢餓にさらされているのに、どの顔も丸々としていて不快

そのもの。

当然のように燃やされる書類。

 

最初から最後まで目を見開いていた若手の軍人。

誰か知らないが、熱演だった。

 

沢山の人々を死に追いやっておいて、反省どころか

「今やめたら英霊に申し訳が立たない」と降伏を拒否する正当化の理由として使う。

現在の歴史修正主義者のお題目と何ら変わらない。

 

首相から軍人まで「国体護持」を連呼。

昭和天皇だけが「国民の命云々」と発言。

結果的に天皇が良心的な人間に思える。

 

しかし逆を言えば天皇は唯一の「神」なので、「国体護持」などと発言せずとも、

右翼から襲われる心配がないから「国民云々」と言える、というのもある。

 

とにかく当時の軍人たちの言動を見ると頭がおかしくなる。

気力まで奪われたような気がした。

合理的な考えよりも純粋な精神を称揚する軍隊。

日本人は合理的な考えが苦手、というよりむしろ嫌いなのでは。

冷徹な計算よりも精神的な「あるべき論」が先に立つようでは話にならない。

軍隊など持つのは「基地外に刃物」そのものではないか。

「戦争が出来る普通の国」などになるべきではないと明確になった。

健全な民主国家にもしなれる日が日本にも来たら、その時初めて軍隊についても

考えたら良いと思う。

 

印象に残ったのは、鈴木首相役の笠智衆阿南惟幾役の三船敏郎

修羅場をくぐった首相の威圧感と、頭脳よりも人柄を買われた阿南の人間性

描かれていた。

軍服は二割増しで美形に見えるのは事実だと思う。

この映画の三船敏郎はカッコイイ。

 

気力に余裕がある時に見るのをお勧めする。

一度は見るべき映画。

 

原作本をどうぞ。

 

文庫

文春文庫

日本のいちばん長い日 決定版

半藤一利

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1917 命をかけた伝令


サム・メンデス監督作!映画『1917 命をかけた伝令』予告

 

第一次世界大戦末期。

一進一退の攻防を続けていた頃。

 

ドイツ軍が戦略的撤退をし、敗走と見て取った英国軍が追走しようとした。

おとりの可能性が高いと英軍はみなしたが、電話線が切られ、通信手段はない。

代わりに伝令として兵士を送ろうと考えた司令部は、二人の兵に命令を下す。

 

実話の映画化らしい。

戦争映画が省いてきた「臭い」を、想像させようという描写が場面のあちこちに

見られる。

 

同僚のクリームの話に始まり、いきなり転がる馬の死体。

続いて散見される人の死体。

 

主人公は死体を触って平然としている。

死体の周りには虫。

ネズミやカラスも。

 

ネズミは場面展開にも活躍。

 

善意が仇となり主人公の片割れは死亡。

助け合いなど無意味なのか。

途中に心が通い合う場面も。

 

故郷は遠くで思うもの。

最後には、主人公も帰りたくなったのだろうか。

 

サム・メンデス監督が、評価の割りに賞レースに縁がないのは、

「ロマン」がないからだと思う。

今作も、ヒロイズムも、甘さもなく、ひたすら厳しい現実を淡々と描写するのみ。

これでは、成功した高齢者が多いと評判のアカデミー賞関係者は興ざめ。

彼等が喜ぶ作品を作らないと、今後も受賞はならないだろう。

 


『1917 命をかけた伝令』サム・メンデス監督単独インタビュー「作品の規模を恐れない」

 

戦争をやたら美化している人にこそ見てもらいたい。

歴史上の有名人は出ない。

 

https://yaruo.fandom.com/wiki/やる夫で学ぶ第一次世界大戦

日本語で読めるものではこれ以上の作品は寡聞にして知らない。

この映画で第一次世界大戦や当時の世情、歴史等に関心を持った人は

是非読んでもらいたい。

力作!

 

 

 

コップ・カー


『COP CAR/コップ・カー』映画オリジナル予告編

 

警察ではなく保安官の車だよな?

 

家出した10歳くらいの少年組が車を盗んで逃げる話。

たまたま鍵がかかったままの車。

周囲に人がいないとはいえそんな事あり得るのか?

 

大人なら警察や保安官の車には手出ししないか。

無謀な子供故の暴走により映画は進行する。

 

銃器をおもちゃにするが弾が入っていなかったらしく無事だったり。

拘束されていた大人にしてやられたり。

これも子供ならでは。

 

最後は大人しくなるのかと思いきや不明確。

まあこれはこれでいいのでは。

 

ケビンベーコンは悪役だけでなく制作も。

他にいい企画なかったのかな。

 

緊張感が漂う映画。作りは悪くない。

 


フットルース (Footloose) 予告動画

爽やかな青春映画! 口直しにどうぞ。