億男


「億男」予告編

 

よくわからない映画。

主題は何だったのか? 考えてみた。

 

借金を抱えた男が高額の宝くじを引き当てる。

借金を返済しても十分余るほどのだ。

それを奪われた。

信頼していた友に。

男は友の過去を探る事にする。

 

ここで疑問。

主人公はもっと怒ってもいいのではないか?

借金がなくなり、十分な残金を見込める宝くじを奪われたのだ。

不思議なくらい冷静だ。

別居している妻子とはやり直したいらしいのに。

 

持ち逃げした犯人の昔の仲間を訪ねる。

羽振りの良い人間ばかりだ。

そこで金銭の空虚さ、「夢」に踊らされる人間の愚かさを見せられる。

金はゴミで、安心に値段を付けてやると。

彼らはそれで満足なんだと「仲間」たちは言う。

否定する言葉を持たない主人公。

 

最後は持ち逃げした犯人を許したらしい。

「解」を得た事で満足なのだろうか?

得手勝手な理屈ばかりだが。

借金は減らないのに。

それでも家族とやり直す夢は残っているから良しとするのか。

 

さっぱり分からない。

結局何が言いたかったのか。

金の空虚さか。

友や家族のかけがえなさか。

夢の美しさか。

 

それともただ無情に過ぎ行く時の流れが隠れた主題なのだろうか。

 

どちらにせよ、娯楽作品としては失敗だろう。

面白くない。主題も不明確だ。

佐藤健ファンにはいいかもしれない。出ずっぱりだ。

 

ギャンブルにハマった人にはおすすめ。

頭を冷やしてくれる。

 


『億男』 モロッコロケ&パーティシーンメイキング特別映像