キングダム


映画「キングダム」ONE OK ROCK主題歌バックに山崎賢人、吉沢亮らが激しいアクション 予告編公開

 

人気漫画「キングダム」の映画化。

秦の始皇帝の事績に着想を得た作品。

 

週刊誌で連載しているために演出が単調になったり、大げさになったりする

傾向があるが、春秋戦国時代が大手の雑誌で取り上げられているだけでも

凄い事かもしれない。

 

始皇帝に関心を持つ人間としては原作に不満はあるが、完結させて欲しいとは

思っている。

 

前置きが長くなったが、映画について。

中国の広さが描写出来ているかは微妙だが、

奴隷なのに打ちひしがれていない主人公と漂の特異さや、

過酷な環境なのに飄々と生きている貂によって、厳しい現実が日常である事は

理解出来る作りになっていると思う。

貂がいた村のについての場面を削ったのは映画としては妥当だと思う。

盗賊の村の存在くらいは匂わせてた方が良かったような気もする。

 

後の始皇帝については、賢い少年王(青年?)の雰囲気が出ていた。

主人公については、下僕の少年が将軍になるのは厳しいと思うが、実例もあるので、

漫画の設定としてはあり。

貂については、孤児が生存するために要求されるものは、いつの時代も変わらない

事を示すものとしていいと思う。

 

映画としての形式を活かした戦闘描写、無難な悪役、盛り上げる音楽、と

一通り揃っていた。

続編を制作するそうだが、個人的には原作はこの導入部である王都奪還編こそ

一番緊張感があって面白かったと思う。

この後は映画として派手な見せ場はしばらくないような。

 

まあ、観客の私が想定するような事は制作陣営にとっては当然の事だろうから

余計なお世話だが。

 

それなりに面白かったが、中国の大作映画ほどの「物量」を感じなかったのは、

資金力の差か。

面白い映画が評価されて、次に繋がるような好循環に出来ればいいな。

 


京都大学 「中国文字文化論」第6回 始皇帝の統一帝国と漢字 教授 阿辻哲次

 

始皇帝といえば統一政策。

「漢文」の基となった文章の統一は大きい。

公文書で共通の規則を作り、守り・管理・運用し、責任の所在を明確にする。

公文書自体を作らないようにしている現在の日本政府はどれだけ無責任なんだ?