米国の情報機関NSA所属のアナリストによる内部告発の経緯を辿った映画。
主役はご本人に良く似ていると思う。
「安定した生活」を捨てて告発した理由が良く分からなかったが、この映画で
何となく理解できたような気がする。
令状によらない通信の傍受、私生活の覗き見、といった市民生活の監視を、
「国家の安全」と言い換える矛盾。
ものには限度がある、という事だ。
彼は「何も変わらない事こそ恐れている」と語っていた。
米国政府は、曲がりなりにも変わったようだが、日本社会には、何ら
響いていないのではないか。
米国は他国を恐れているようだが、単独で地球を破壊できるだけの武器を所持
しているともいわれる米国が恐れる国など、米国自身しか存在しないように思える。
日本では権力に従属したがる人が多いから、佐藤氏のような見解は受ける。
国家という制度の成り立ちを考えれば、安易に「裏切り」呼ばわりは出来ない
はずだが。
安全のために監視が必要だと錯覚させるのは、持つ者にとって都合がいいからだ、
という事を忘れないようにしたい。
一度は見て欲しい映画だ。
通信媒体を利用している全ての人に係わる話である。