✅ 「これこそが本物の革命」民主主義のために戦った実話、Netflix映画『シカゴ7裁判』予告編が解禁
精力的に映画を製作・公開しているNetflixの映画。
俳優の一人が製作にも関与している意欲作。
1968年の米国で、ベトナム戦争が泥沼化する中、反戦を訴えるため、民主党の党大会
に向けてデモを開催し、警察とぶつかり、暴動になり、逮捕拘束され、多数の怪我人も
出した事件。
首謀者と目された7人が刑事訴追を受ける事になった実話の映画化。
民主党のジョンソン大統領の下では刑事訴追は見送られた案件が、共和党のニクソン大統領の下では刑事訴追に、という政治的判断に基づく裁判である事が匂わされる。
共和党の新たな司法長官は、前任の民主党の司法長官とは不仲らしい。
7人を訴追するために司法長官に呼び出された検事だが、訴追するには不十分な事案
では、と抵抗を示す中、判例のない共謀罪での訴追をと言われ、上司の命令の下
主任検事を引き受ける。
その後裁判の過程で7人の記憶と過去の事実のズレが判明していくのだが、という話。
この映画では検事が印象に残った。
この案件とは直接関係のない「ブラックパンサー党」の指導者が共謀罪で同じ裁判に
かけられるのだが、人種差別が剥き出しにされる中、検事の機転で裁判から除外されるなど、検事の任務を全うしながら法には背かない慎重かつ冷静な言動をしている所が
良かった。
判事は酷いが、日本でも珍しくないだろうな、と思った。
最後の場面は米国人にとって民主主義を守る感動的な場面なのだろうが、
大量のベトナム人の死者には特に何も思わないだろう点が、これぞ米国、という
感じでもあった。
この映画は、民主主義とは闘争で、権利を守る、獲得するためには戦はなくてはならない、という事を見せつける作品。
民主主義どころか、法治主義すら日々政府と司法とマスコミによって危うくされている
日本に住む人々の全てに見て欲しい。
映画としても面白い。
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