ナイジェリアを舞台にした脱出劇。
ナイジェリアは現在ボコ・ハラムのせいで混迷しているようだが、その前史か。
実話かどうか不明だが、似たような話はあると思われる。
ナイジェリアでクーデター?が起きて大統領と家族が処刑される。
幼い子どもまで。
主人公は米軍所属の軍人で、現地にいる医師を救助する、という任務を与えられる。
米国人と結婚して米国籍を取得した人物だ。
神父と修道女も望めば救助しろと。
現地の人間は数に入っていない。
医師は患者も助けろと主張し、主人公は止む無く引き受ける。
その中には大統領の息子がいて・・・という話。
ある意味貴種流離譚も含んでいるのだな。
割り切って任務についていただけだった主人公と部下たちが、だんだんほだされて
現地住民の為に尽力しようとするようになるというのは、浪花節が世界的に共通する
ものだと思わせる。
息子だけが都合よく助かる、というのは少し胡散臭いが、お話だからいいか。
それはともかく米国は米国人とそれ以外の人命の価値に公然と差をつけるのだな。
だがこれだけ個人として尊重されるなら祖国の為に戦おうという気になるかもと思った。
戦時下だけでなく現在も過労死や自殺が後を絶たない日本とは命の軽さが違い過ぎる。
最後の大団円は、「物語」の良さを実感させた。
米国万歳は多少はなについたが。
医師役のモニカ・ベルッチは美しかった。
最後の場面、あれが主役の撮影の動機だったりして。まさかね。
大味ではあったが、悪くない出来。良ければどうぞ。
戦闘機乗りはエリートだと実感させられる。
「ティアーズ・オブ・ザ・サン」では空の安全が確認できないと救援ヘリは出せないと
言われていた。
故郷を奪われた女性たちが戦う話。
この映画の米軍もカッコいい。