タイに居住する中国系家族の物語。
高校生くらいの娘が優秀な学生への褒賞として林間学校?のような所に他の生徒たちと
宿泊した。
そこには切れ者の警察局長を母に、市長候補を父にもつ生徒もいた。
その生徒は甘やかされた男子によくある素行不良な人物で、その娘をレイプし裸体を
撮影して、娘を脅した。
呼び出しに応じなければ裸体の画像をばら撒くと。
懊悩する様子に娘の母親が気付き、同行する。
そこで問題の人物から携帯電話を奪って画像を確保しようとするのだが、という話。
問題児の男子生徒の死亡からが本番の映画だが、どこにも似たような問題と事件が
存在するのだな、とつくづく嫌になる。
この映画は娘を守ろうと立ち上がる父親が主人公だが、やはり犯罪には犯罪で応じる
しか身を守る術はないのかとうんざりさせられる。
映画好きの主人公が映画の知識を生かして完全犯罪を企てる、というのは映画作品の主旨として皮肉であり、上手な設定だと思う。
最後に情に訴えられた主人公が自首するのも、基本的に真面目な人間だから通じるのだ、という事実を突きつけられているようで、がっかりだ。
加害者が失われているのも、被害者が捨て身になって戦ったからであり、泣き寝入りだったら、奪われるばかりなのだろうという事も容易に想像できる。
この映画は被害者である娘を責める人間が一人もいなかったのも良かった。
日本だったらうかつさを非難する人間がいないと逆に人を描けない映画かと思うところだが、タイは日本よりは情に厚いのだろう。
新鮮味はあまりないが、戦う父親の姿を見たい人にはお勧めする。
滅亡した種族を復活させ、兵器利用まで企む人間の罪と罰。
朝鮮半島について、日本人も少しは知るべき。
娯楽映画として面白いし、導入にはいいと思う。
「保護者」である米・中・露、ついでに日本の残酷さも垣間見れるよ!