教皇選挙
途中まで実在の教皇が選出された事例を映画化したのかな?と思って見ていた。
最後にはっきり新機軸を打ち出した。
それはあっぱれではあるが、女性の置かれた状況が自明になるものでもあった。
教皇が亡くなり行われる次期選出の為の選挙。
枢機卿により行われるもののようだが、当然のように男性しかいない。
女性は司教はおろか司祭にもなれず、修道女を取りまとめるのみなのか。
主人公の枢機卿は、教皇の路線を継承すべく、友人を支持していた。
初めてアフリカ系の枢機卿が教皇に選出されるかもしれないという噂もあり、有力
候補者の一人だった。
選挙は政治と同様、候補の問題点をあぶり出すものとなって行く。
主人公は有力候補者の「スキャンダル」をもみ消さず対処したことで、有力候補者と
なって行く。
法王庁から離れるつもりだった主人公も、だんだんやる気になって行くのだが、
という話。
当然のように権力から排除されている女性の惨い境遇が鮮明に描かれている。
キリスト教には明確に女性は男性より劣ると言う教えがあるそうな。
女性蔑視でない宗教は存在しないそうだが、キリスト教の女性蔑視も強烈なのだろう。
無宗教だと無邪気に宣う日本の人々にも是非見て欲しい。
頭の先まで浸かっているからこそ気付かない現実を垣間見れるかもしれない。
修道女の「見えない存在である我々ですが」と、
主人公の「我々は法王庁ではなく神に仕えているのだ」は良かった。
それだけでもこの映画を見た甲斐があった。
新教皇の問題については「今時」ではあるが、既にオリンピックの女子陸上短距離の
メダリストが全部染色体異常の人だった事もあるようなので、この映画の事例が女性
にとってプラスになることに繋がれば良いなと思う。
宗教は良くも悪くも人間を支配するものだから。
評判の良い作品。見たことはないが。
これは面白かった。主役はカッコイイ。
主演のレイフ・ファインズが主演賞を逃したのはハリーポッターの作者を擁護した
からというのは本当なのかな。
映画界の女性蔑視も酷いね。
The Law 刑事の掟
これは掘り出し物だった。
非常に恐ろしい映画。
汚職警官と目撃者の攻防が全編に渡って描かれるのだが、警官の権限と地位を悪事の
隠蔽と正当化の為にフル活用する。
そして鍛えた肉体を使って怪我人である目撃者に勝ち誇って殺そうとする。
警官は希少価値のある職業ではないのに、権限は結構強力だから、その気があれば
無防備な一般人を合法的に追い詰める事は容易であるという事を散々見せつけられる
映画だった。
とにかく部外者は全面的に悪徳警官を優位にさせるように稼働し、目撃者が生き残る
には自力救済しかないということだ。
「諦めたら終わり」なのだ。
お勧めだ。
色々あるようだ。
バーニング・オーシャン
原油流出事故を題材にした映画。
目先の予定重視は何処も同じだな。
BP社が管理するメキシコ湾沖の海上原油掘削設備で、安全確認のテスト中に計器が妙な反応を示し、部品の故障も見つかるが、修理もせずそのまま運転を続行した。
その結果大規模な火災事故発生に至ってしまうのだが、という話。
日常の異常に気付いて修正出来る人間がどれだけいるか、面倒だから放置したり見て見ぬふりをする人の方が多数派だろう。
主人公も結局上位者に迫られ受け入れている。
安全を確保するのも結局は各人の働き、努力次第なのだとよく分かる。
生死の分かれ目はやはり運が大きいのだろう。
映画自体は火災の威力や恐怖が感じられるパニック映画で、内容は無難な出来だと思う。
これはこれで見る価値はある。
大規模火災な割には犠牲者は少なくて済んだな、というのが率直な感想ではあるが、
無論事故発生を未然に防げなかったのは失敗として糾弾されるべきだろう。
最後に亡くなられた11名の方に哀悼の意を表します。
問題を軽視した結果の巨額損失。
悪人伝
刑事とヤクザが「相棒」になるという話。
お話としてはあり。
ヤクザ組織の幹部である主人公はが、ある日男に襲われる。
連続殺人事件ではないかと考えていた刑事が、前から逮捕機会を狙っていた主人公の被害を知り、情報提供を求めるのだが、ヤクザである主人公は共同で犯人を追いかける
事を提案する。
主人公の部下たちは刑事の命令も受けて動き、犯人を追い詰めるのだが、最終的には・・・?
お約束の汚職警官と、グレーな捜査を行う刑事が活躍する映画だが、無法者に法に服させるために戦う刑事もなかなかである。
日本のヤクザ映画ほどヤクザものを美化していないように見えた。
女性を使って稼いでいるのは日本も韓国も同じらしい。
ヤクザ者だから殺人犯を追い詰められた事を考えれば、主人公の設定は意義があったと
言える。
最後の場面も、日本人は期待するのではないか。
韓国の人も同様なのかな。
娯楽作品としては悪くない。
真面目に突き詰めて考えなければいいだけのこと。
裏社会が大きな顔をするのは結局健全な社会を殺す事だけどね。
「安全保障」に興味のある人にはいいかもしれない。
これも刑事とヤクザの共闘だった。
でも完全に刑事主導だったので、そこが違う。
ソルト
アンジェリーナジョリー主演のスパイ映画。
CIA所属の米国人だが、実際はソ連で教育された工作員という設定。
本人も過去の事は忘れて過ごしていたが、投降してきた元ソ連の工作員によって過去を
明かされてしまい、逃亡の日々が始まるという映画。
合衆国大統領の葬儀に参列するロシア大統領を暗殺して混乱を招き、核戦争を起こす
犯人役として仲間から切り捨てられたという事のようだ。
彼女がその役に当てられたのは、女性だからなのだろうか・・・。
それはともかく、主人公の戦いは格好良かった。
実際には女性が複数の男性を同時に相手取るのは難しいだろうが。
体力的な意味で。
終盤の場面でも、監視カメラがあるから主人公の名誉は回復されると思うのだが、
特別な部屋に設置していないというのはあり得るのだろうか。
寝室でもないし、あるはずだが。
核戦争については、一貫した重要題材だが、現実のイスラエルの暴走については映画会社はどう考えているのだろうか。
米国の後ろ盾がないとあそこまで無茶は出来ないのは理解しているだろうし。
映画としては面白かった。
主人公はショートカットが似合っていた。
安心感のある終わり方で良かったと思う。
しかし地球を破壊出来るとも言われるだけの核兵器を保持してどうするのだろう、
合衆国は。
盗聴と核戦争が題材だったと思う。
お勧め。
フロントランナー
80年代の米国の大統領選が舞台。
ゴルバチョフ、ブッシュ、CIAという単語が並んだからパパブッシュが大統領に当選した時の選挙かな。
冷戦末期の米国大統領選で最有力と目された上院議員が、選挙戦を辞退するまでを描く。
ハート候補については知らなかったが、エリートで傲慢な自信家、という事だけは分かった。
弁舌爽やかでハンサムで、期待されていた、という事も知れた。
これは選挙の意義と、スキャンダルの意味するものを取り上げたののかと思った。
そして女遊びは男の解消、という社会通念が、少なくとも国の顔である大統領においては、一定の節度が求められて然るべき、という発想により抑制対象になって不倫の不利益が女性だけでなく優位な男性も責任を問われる社会規範が出来上がってきた、という事を示している映画だとも思う。
政策は良心的で、真面目に社会の底上げについて考えている人が、未来ある女性の将来にキズをつけるような振る舞いについては、悪い事だと少しも思わず、批判される事自体を理不尽だと捉えるという体制側男性の甘えた性根についても端的に描かれていて、女遊びが如何に気楽な気晴らしに過ぎなかったか突きつけられる感じで、何とも言えない気分になった。
この映画で気付いた事だが、スキャンダルをたかがその程度の事だと言うが、本人が問題を起こさなければスキャンダルになり得ないのだから、マスコミや関係者を罵倒するのはおかしいという事だ。
女性の場合は下らない中傷が打撃になるが、それが他人の話でもなかなか忘れられず、中傷が事実のように語られたりもするので、女性差別の強烈さは他に類を見ないものだ。
興味深い映画だったが、主人公が報道された女性以外の女性もいたのか、という質問に、そんな質問には答えないぞと言いながら、頑張るのに対して、いないとは答えないのかとうんざりした。
男性である上院議員で大統領候補者である人物tにとっては、複数の女性と関わるリスクは念頭におかず、あくまで気楽な遊びのつもりで不倫をしているだけなのだ。
全編通して女性の社会的地位の低さについて考える事となった。
プーチンを見ているとゴルバチョフ氏がクーデターで追われた事はソ連やロシアにとって痛恨事だった事が良くわかる。
女性差別が社会問題として認識されるようになった故に、スキャンダルも政治的価値が発生するようになったという事なのだと思われる。
CIA及びアメリカ合衆国の横暴。
ダークタワー
スティーブン・キング原作小説の映画化。
原作は完結したのだったかな。
何かで見たような気がするが、「謎」を謎のまま取り扱った作品、だったと思う。
視聴者に神の視点での情報が与えられず、主人公兼案内役の少年が得られている情報以上のものはもたらされない。
少年は12歳くらいで、母と住んでいるが、男もいる。
彼との関係は冷戦状態のようだが、母は夢のせいで厄介な言動をする息子を施設に入れようか検討中だ。
誰にも信じて貰えない主人公は、ある日夢で見た屋敷とよく似た建物を見つけ、入ってみるのだが、そこから見知らぬ異世界に飛ばされた、という話。
この異世界と現実の世界は特別な人間だけ行き来可能なようだが、題名にもなっている
ダークタワーの存在や役割は最後まで謎なままだ。
原作では明かされているのかもしれないが。
話の主軸の二人の男は、拳銃を使う男と、超越的な力の持ち主である男だが、
この二人は旧知の仲で、主人公はそれに巻き込まれて危険な目に遭うという事のようだ。
その辺りはこの類の物語の「お約束」かもしれないが、銃使いからは超能力者が見えない状態のままというのはよく分からなかった。
単に能力を誇示した表現方法だけなのかもしれない。
全体的に原作が気になる終わり方だったが、他者との境界線が曖昧な昨今、この作品の映像化に取り組んだことは、凄いことで、意義のある事だと思う。
主な子役は皆顔がはっきりして可愛い子だった。
怖い話だからかな?
主人公の母の最期が一番衝撃的だったような気もする。
無難なところで。
理不尽な暴力という面でお勧め。
しかし抑制の働かない権力者は厄介だ。