天皇と軍隊


映画『天皇と軍隊』予告編

 

記録映画です。

淡々と敗戦後以降の日本について綴っています。

ストーリーはほぼなし。

見た事がない映像もそれなりにあり、無駄な時間ではありません。

学者による見解を元に映画としてまとめた、という感じ。

体験談を基にはあまりしていません。

 

靖国神社軍国主義の思想的な象徴であり、軍国主義天皇を中心とした大家族主義である、というナレーションには、頷きつつも、流石に家族は大きすぎる、と思いました。

しかし、家庭内犯罪に鈍感な現在の日本を前提に考えれば、一番不利な立場の人が一方的に我慢させられて、表面的には平和、というのは全体主義を分かりやすく示したものといえるかもしれません。

 

日米合同委員会についての言及はなし。

右翼の人の平和そうなしたり顔を見ると、敗戦後体制は欺瞞、などとどの顔下げて言うのか、図々しさにうんざりさせられます。

 

天皇が退位もせず敗戦後も同じ人物が在位したままだった事は、戦前からの連続性を担保し、日本人の「責任」というものの観念に影響を与えた、と語っていた学者もいて、

私と同じ考えの人もいる、と多少安堵しました。

 

日本国と日本国民のためには、やはり政治的責任を明示的に引き受ける個体として、昭和天皇がその立場に立った方が、再生できたのではと考えざるを得ません。

日本国民の一人として、残念です。


「ドキュメンタリー『天皇と軍隊』をめぐって」(3)

 

軍国主義を過去にするためにも、現実を直視し、戦争犯罪を認識し、孤児に対する仕打ちを含めて広く実態を周知し、戦争は危険で無意味なものであるという共通認識を持つまで諦めずに働き掛けないといけないのだな、と理解するに至りました。

 

多少退屈ですが、できれば一度はご覧になって頂きたいです。