「カジノ王」ランスキーが主人公。
彼が犯罪で成り上がるさまと、ユダヤ人としての「活動」について描いた映画。
彼はロシアの寒村出身で、真面目に働く父親を軽んじ、賭け事で生計を立てようと
する。
暴力担当の友を得て、知能担当として「ビジネス」を始める。
彼の組織では、借金の取り立てとしての殺害を取りやめ、代わりに現場の人員として
囲いこんで犯罪の下支えをさせる。
裏社会と一般人との間にあった垣根を取り払った格好だ。
ユダヤ人である彼はナチスの動きを阻止するため、イタリアマフィアであるラッキー・ルチアーノに近づき、組織での成り上がりと、米国への貢献の両方を目指す。
大物とのコネを作った彼の稼業は順調となり、キューバで成功し、ラスベガスも
建設する。
その後出資者としてイスラエル建国にも関与する。
犯罪者としての実刑を恐れる彼は、余生をイスラエルで過ごす事を求めるのだが、
という話。
犯罪者でありながら、ユダヤ人としてイスラエルへの思いも本物、という人物を
鮮やかに演じていた。
「生き残ったユダヤ人にいい奴はいない」という言葉を再認識させる映画でもあった。
彼は訴追を免れ、アメリカ市民として人生を終えたようだ。
日本でカジノ導入を自治体が目論んでいるときに、カジノ王の映画を見る機会を得る
とは興味深い。
主人公も犯罪を「ビジネス」と連呼していた。
「仕事」だと言えばどんな事でも言い訳可能で、どんな悪事も許されて然るべき、
という風潮はやはり異常で、是正しないといけない。
「死」を思わせる場面はあっても、流血等の直接的な暴力描写はほぼないので、
安心して見られる。
幅広い世代の人に見て欲しい。
アメリカの現代史を活写している。
イスラエルという国の存在する意味についても、考える良い機会だと思う。
オススメ!
主人公がいた頃のソ連。
ナチスの一場面。
犯罪捜査の為なら何でもあり?
「普通の人」の犯罪。
「マフィア映画」と言えばこれ。
カッコいいし、音楽が最高!