NASAで働く女性たちの物語。
英米が「アパルトヘイト」を最後まで支持した国である事も分かる映画。
1962年の米国。
NASAで働く3人の黒人女性が主人公。
天才数学者、技術者、みなし管理職。
数学者のキャサリンは能力を認められ本部長直轄の業務に従事し、計算で間違いを修正し、打ち上げの為の軌道計算を行うが、IBMのコンピューターが導入され、本部から外されるが、という話。
この話はキャサリンが軸だが、技術者志望のメアリー、みなし管理職のドロシーも
大きな役柄だ。
メアリーは男性のみだった技術職の壁をこじ開け、ドロシーもコンピューターについて
学んで黒人女性初の管理職になった。
キャサリンも導入されたばかりのコンピューターの不足を補う活躍を見せる。
女性は「代わりが効かない」存在にならないと認められない、という厳しい現実を
突きつけられる映画でもある。
この映画では「隔離政策」についてもさり気なく取り上げられている。
トイレに「白人用」と「それ以外用」があって、黒人女性である主人公は毎日800メートル先まで走ってトイレに行かなければならない。
途中、その「ルール」が覆される場面は、感動的だ。
責任者である「白人男性」が動けば、簡単に覆せるような下らない事でも、非力な立場の人々は、日々対応して我慢して生きなければならないのだと実感を持って思わせられる巧みな演出だった。
全体的にテンポよく、笑いもあって、面白く見られる。
同時に、差別が日常で、それ故の深刻さも分かりやすく示される。
差別について考えた事のない人に、是非見て欲しい映画。
主人公の理解者である本部長と、さり気なく擁護(多分)してくれた女性事務員は
カッコよかった。宇宙飛行士も。
オススメ!
「公民権運動」の映画。
KKKに潜入。
「公民権運動」の元祖?
白豪主義の為に殺人も厭わない?