ファン・ジョンミン主演、映画「工作 黒金星(ルビ・ブラック・ヴィーナス)と呼ばれた男」7月19日(金)に日本公開決定!日本オリジナルポスター解禁
韓国のスパイ・政治映画。
「1987」を見て以来韓国の政治関係映画は出来るだけ鑑賞している。
これも「当たり」。
1998年の金大中氏の大統領選挙以前の数年間を描いたもの。
せいぜい20年ほどしか経過していない過去を、これだけ詳細に描写し、実名で登場させ、しかも娯楽作品として成立している韓国映画には脱帽する。
某「新聞記者」が問題作扱いされる日本との差は歴然。
これが民度の差というものか。
肝心の本編だが、アクションは全くなく、役者の演技力だけが頼りの作品。
日本にこれだけ「無表情」になりきれる俳優はいないような気がする。
真面目な軍人だった主人公が、昼間から酒を飲み、破産までして、過去を消し、
「商売人」になる。
私生活はまるで見えないが、どうも妻子はいたようだ。
離婚には至らなかったのか。
「安企部」の上司の下、対北工作員として北京で活動する。
北の指導者金正日と直に会える「所長」と接触し、外貨獲得を匂わせ、少しずつ信用を得ていく。遂には最高指導者にも対面を果たす。
「最も成功した」工作員とも言われている主人公。
上司の命令に疑念を持ち盗聴する。
「所長」と協力して勝負に出る。
果たして生き残れるか、という話。
全編緊張感が漲っていた。
主人公は死を覚悟した場面が何度かあったと思う。
それでも自分なりに南北融和の理想のために考え、行動する。
一つの民族で、政治的・軍事的・思想的に分かたれた両国の慟哭が、垣間見れる。
途中、主人公が「所長」に、語り掛ける。
「何故、私を信用するのか。」と。
「それしか出来ないから」どこか寂し気に答える「所長」。
政治は、権力の意向だけでなく、人々の思いが動かすのだと。
「敵」を作って権力を維持する。
当時の韓国で行われていた。
軍事的緊張。
日本では都合よく飛ぶ「飛翔体」「ミサイル」。
何処も同じだ。
この映画でアジア文化はやはり中国が母体だと何となく理解できた。
これだけ米国が存在を誇示しても「アジア」という概念が揺るがないのは、
中国の存在が大きい。
米国一辺倒はやはり危険。
何とか、複数のチャンネルを作りたいものだ。
自らの力で「自由」を獲得した韓国人に拍手!
是非見て欲しい。
映画『工作 黒金星(ブラック・ヴィーナス)と呼ばれた男』特別キャラクター映像