実話の映画化。
イラクの少数民族、ヤジディ教徒の村がISに襲われ、村人は拉致される。
年長の男性は処刑され、それ以外は「商品」「兵士」として取り扱われる。
主人公は「商品」として売られ、自力で脱出した女性。
再度囚われる危機を、女性だけの部隊「蛇旅団」に救われる。
彼女は囚われの弟を探すため、志願兵になる、という話。
映画になっているので、救いはある。
基本的に自力救済だが。
宗教が絡む少数民族問題は、やはり根深く、野蛮だ。
さり気なく挿入されるヤジディ教徒に対する周囲の民族の扱いがえげつない。
過酷な話だが、お涙頂戴にはせず、娯楽作品として成立している。
日本映画は何故あそこまで「感動」を押し売りするのか。
外国映画を見習って欲しい。
敵役に白人の俳優が出演しているが、イスラームは複数の配偶者を持てるから改宗
する、という話は本当なのだろう、という妙な信憑性のある配役だった。
主人公が所属するクルドの関係者は、皆「いい顔」をしていたので。
仲間たちもいろんな「理由」があって参加しているだけあり、カッコいい。
過剰に立ち入らず、必要な助力はする、という感じで理想的な仲間たちだった。
弟君も可愛かった。
この映画は「利益の分配」「商品」として的にされる人々の視点から見た映画だが、
戦争で稼ぐ側から見た映画もオススメなので、見て欲しい。
意思を持つ戦う人はカッコイイ。
政治や資本家の戦争への関与。
米国のヒーローとしての側面を「レッドスネイク」では見れるが、
「シャドー・ディール」では、戦争ビジネスで稼ぐ側面が描かれる。
現在の世界が暴力で支配されているのは、覇権国家が戦争で稼いでいる国だという
事実の影響は大きいだろう。
冷戦で武器ビジネスの額面が跳ね上がったそうだから。
その事後処理のために、今後も紛争は維持される。
どうすれば変えられるのか。
南北に分断され、冷戦の最前線でもある。
選挙のための「紛争」。
政治工作と和解。
知る事でしか、平和は構築出来ない。