<クワメ・トゥーレの演説編>映画『ブラック・クランズマン』予告映像
スパイク・リー監督の新作。
差別問題を扱っていますが、キレのある娯楽作品。
緊張感と皮肉と冗談が充実した愉快な映画です。
黒人刑事がKKKに白人の振りをして電話をかけ、ユダヤ人が実際に接触するという二人で一人を演じるお話。
これが実話。
KKKの幹部からもお墨付きを受ける非白人への偏見に満ちた発言。
キング牧師が亡くなり、公民権運動が盛り上がっている頃なので70年代?
ベトナム戦争の話題も少し。
正体がバレそうになるも、何とか認められ、会員に。
しかしその場でユダヤ人刑事の顔を知る人物に密告されそうになる、
どう切り抜けるか?という話。
無論主人公は黒人なので黒人差別が主題ですが、そこはかならぬ女性蔑視も。
KKKの儀式も男性のみで、女性は外。
会食も男性のみで女性は別枠の様子。
KKKの幹部が「白人男性」と発言した後、「勿論女性の事も忘れていない」と話ますが、これも幹部だから気が付くのだろうな、という感じ。
差別の根幹部分はやはり肉体的に不利な女性蔑視なのだ、というのが良く理解できる映画でした。
主人公の上司や先輩は基本的にまともな人。
一人の白人刑事が、黒人蔑視を隠さない人物。
彼が、主人公と親しくなった黒人女性に言いました。
「俺には、いつでもお前らを撫でまわす権利がある!
その気になればその尻に突き刺す事も可能だ!」と。
これは現在の痴漢や性犯罪で被害者に自衛を求め、反撃したら過剰防衛といい、証言は信憑性に乏しい、という人たちの考えそのものではないかと。
つまり、わが国では、女性は非差別人種として扱われてきた、それを変えたいというのをあらゆる手段で押さえ込みにかかっている、という事かと。
一つの民族に拘る人たちが二つしかない性別(少なくとも肉体的には)で、肉体的に優位性に立つ側が不利な側を非差別人種並に扱ってきた、それが可視化されつつある、という事かと。
宗教や文化的背景が違うものを見ると、先入観が少ないので、現状の理解に役立ちます。皆様も、是非見て欲しい作品です。
アクションも、笑いもありますよ!
『ブラック・クランズマン』ジョン・デヴィッド・ワシントン&スパイク・リー監督 インタビュー
最後に、クワメ・トゥーレの言葉を。
「全ての人にパワー(権力)を!」