これも原作あるらしい。
色んな社会問題を織り込んでいた。
型破りな判事が主人公。
職権を発動して審議を長引かせ、問題視されている。
しかし、これだけ不起訴が横行し、刑事事件の有罪率の異常な高さを誇る本邦で、裁判所の職権を発動したら裁判官が非難されるのはおかしい。
政府の行いを予め肯定する為に作られたような印象を与える判決も出される現在、裁判所の政府からの独立を確保する為に職権をむしろどんどん発動させるべきではないかと
思えるくらいだ。
この映画で扱われる事件については、自衛隊と漁船の衝突事件や、大企業の工場排水における土壌汚染、企業に依存する地元による隠蔽工作という日本の現実にある問題を
取り上げ、法律家としての志と現実の法曹3者の行いの差を描写する事で重層構造になっている。
女性差別問題も一応あったかな。
刑事事件として被疑者になった事で問題が取り上げられ是正措置に繋げる事が出来た、という日本の隠蔽ありきの問題についても触れられていた。
真面目に訴えるだけだと無視される問題は深刻だ。
主人公と周囲の信頼関係も良かった。
色々お互い考えが違っても攻撃したり排除したりせず協力出来る点は協力し合うというのは日本では困難なようだが、この映画の作中では行われている。
ヒロイン?が信用した身近な人から裏切られたりもしたが、彼女なら諦めずに立ち上がるだろうと思わせてくれる所も良かった。
恋愛場面がほぼ無いのもいい。
年齢の離れた恋愛描写は食傷気味である。
映画としては安心して見られる。
安定した邦画の印象。
それと「国防」というといつも武器弾薬の製造の話だが、日本の映画関係者やマスコミ・議員は武器弾薬さえあれば国防に繋がると本気で思っているのか?
「国防」と言えば何をしても許されると考えてはいないか?
「長年の研究」とやらはそんなに大層なものか?
これだけ貧困層を拡大させ放置している状態で語る「国防」にどれほどの価値と意味が
あるというのだろうか?
少しは疑問を持たないのか?
・・・まあいい。
無難な映画で悪くはない。
不愉快な人物も描写もほぼないので気分転換にどうぞ。
「国防」を主張していた映画。
良くも悪くも邦画だという印象。
工場汚染関連。力作。
米国の司法制度の問題点を扱った映画。隠蔽工作あり。