古書店の物語。
古書と言っても、「読み捨て」の某古本屋と違って、希少な稀覯本や各種史料収集に
当たる専門家集団の話。
勿論一般の本好きを軽んじた話ではなく、もっと奥に踏み込んで収集に興味を持って
欲しいと働き掛ける意図を感じた。
デジタル技術の浸透で読書が娯楽から外れて久しい。
本や雑誌の売上が減少している事は世界的な潮流であり、皆嘆いている。
だが元々読書とは無縁な人も多いので、読書に割く時間が減少したので、売上も減少
したと考えるのが妥当な気もする。
デジタルは何処にいても見れる、というのが強みだが、機械が使えない環境では
見れない、という難点がある。
意外と記録には不向きで、機械の設定の変更で10年前のものですら見れなかったりも
する。
その点本は古くても読める。
保存状態さえ良ければ、それこそ誰でも見れる。
解読出来なくても、見る事は可能だ。
それこそ本の強みだ。
美術品として扱われる希少本と、身近な雑誌、どちらも収集対象として価値があると
語っていた。
本は文化の集積だと。
私も本は読むが、希少本などには何の関心も持って来なかったので、登場人物の情熱
には圧倒された。
本というものが作られた背景にも関心を持ってみようと思った。
デジタル媒体は否定しないが、やはり紙の媒体も大事にしたいものだ。
稀覯本も色々ある。良ければどうぞ。