スタンド・バイ・ミー


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スティーブン・キング原作の映画化。

子どもの頃から何度も放送されているが、その度に見ている。

久しぶりに見たが、印象は変わっていた。

 

原作とそれほど違いはないのだが、読むと多少違う。

映像と小説で媒体としての見せ方が異なるし、監督と作家が重視している事が違う

からだろう。

 

それでも、変わらないものはある。

それは、4人の少年の物語であり、ゴーディとクリスの物語でもある。

そして4人の少年の家族の話でもある。

 

田舎の小さな町、娯楽も少なく、集まれる場所も乏しい、そんな町。

何処にでもあり、どこにもない場所。

そんな故郷。

 

作家になった主人公の語り。

過去は美化されるものだが、生々しいままだ。

友の死を契機に思い出す、というのも現実的だ。

小学生の時の仲間が、中学生でももう疎遠になっていく、というのも誰にでもある

経験だろう。

悲しくもない特別でもない事として淡々と語られていく。

 

この話は主人公の兄が重要な人物だが、何故重要なのかあまり気にしていなかった。

強権的な親の方を気にしていたからだ。

主人公の理解者である家族は、他にいなかったから重要だった。

そして仲間の兄である不良少年たちを撃退した時、兄との葛藤は過去になり、

優しい大事な家族の一人として清算できたからだ。

 

仲間の親が暴力的なのに一生懸命庇うのも不思議だった。

主人公の方が余程親を批判的に見ているのに。

どれ程暴力的な親でも、他にいないからだ。

親に捨てられたら、頼れる大人がいなくなるからだ。

 

クリスの家族の話もそうだ。

泥棒である事を利用し、悪事を働いた教師。

何処にでもいる小さな悪だ。

だが、大人に裏切られた子どもにとっては一生ものの古傷なのだ。

 

この話が色あせないのは、どの国でも、どんな場所でも、どんな時代でも、

起こり得る人との関わり、小さな悪、理不尽でも耐えるしかない日常、それを

淡々と鮮やかに綴っているからだと理解出来た。

 


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小説もいいよ!