グリード ファストファッション帝国の真実


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ファストファッションで財を成した人物をモデルにした映画。

 

詐欺師のやり口について知れる。

 

アパレル分野で成功したようだが、衣類には関心がなく、ひたすら金儲けだけ。

しかも商品の販売ではなく、会社の金を私するのみ。

 

高校を恐らく退学になる経緯が示されるが、当時から目先を誤魔化して金を巻き上げる

のが巧み。

商品で勝負する気など元からなく、逆に衣類を馬鹿にしているのではと思える。

買収した企業の店舗作りなど酷いものだ。

既存の商品や「のれん」を大事にしようという考えがまるでない。

 

製品の仕入れも、とにかく取引相手の商品を頭ごなしに否定してから、買い叩く。

一度に大量購入だからそれなりの金額に思えるので、相手は同意してしまう。

一方的に価格を言い渡し、考える暇を与えない。

交渉ではない。詐欺のやり方だ。

 

それでも経営は順調で、利益は上げているようだし、と思って見ていたが。

 

どうも企業を食い物にして自身の懐に入れているだけのようだ。

大通り沿いの店舗を売却して賃貸し、差額を利益にしたり、

買収と称して銀行家から資金を借りたと思ったら、支払いは企業の金だったり。

 

まともに製造・販売で利益を確保しようと考えた事もない実態だった。

主人公が契約している製造工場は主にスリランカらしいが、商品を買い叩くので、

労働者も低賃金で働かされていた。

 

それでも国会で問題視されていただけまだましか。

 

主人公の最期は意外とあっけなかったが、あれでいいのかもしれない。

 

エンディングの大富豪26人の財産と、貧困層38億人の財産が同じくらいというのが

一番衝撃だった。

やはり現実は強烈だ。

日本のアパレルも毎年大量に製造し、大量の売れ残りが倉庫に溜まっていると聞く。

その在庫はどうなるのだろう。

着替えもろくにない貧困層の為に、提供してもらえないだろうか。

タダではなく、赤字にならない程度の額で販売して貰いたい。

 

割と真面なのかと思っていた主人公の息子の姿に、ゾッとした。

あくまで父親が嫌いなだけで、商売のやり方を改めるつもりは毛頭ないらしい。

残念だが、これが人というものなのだろう。

ある意味一番怖い場面だった。

毎年必ず服を新調するような人にこそ見て欲しい映画。

でも服は皆着るから、色んな人に見て欲しい。

 


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