毎年制作されるナチスもの。
少女の逃亡劇。
ナチスの進出により、安住の地ではなくなってくる。
逃亡を図ったものの、既に時遅く、一家は捕まり、辛うじて主人公のみ身を隠す事に
成功し、逃げる事が出来た。
彼女は生きるため、男に成りすます事にし、偶然助けてくれた足の悪い少年の家に
厄介になる事に。
しかしその家はナチスが宿泊所として使っており、妻はナチスの兵士と関係を持って
いた。
少女は生きて脱出する事が出来るのか?
主人公は14歳。
自分で行動でき、男女差があまりない微妙な年齢。
生きるため努力した結果、助けてくれた少年の居場所を奪う事に。
「男の通過儀礼」を受けさせられ、少女だとばれる。
そこから逃亡を図るが、日本だったら儲けものだと考えるバカがいそうだ。
最後の主人公と妻の和解は沁みる良い場面。
戦争映画だが、思ったほど暴力的ではなかった。
無論、死が日常の世界だが、不必要な暴力は少なかった。
現代の日本の方が殺伐としていると思った。
保護者のいない未成年者が、労働力ではなく子供として扱われていた。
家出少女に集る成人男性が大勢いる日本。
少女だとバレたら思わず手を離した戦時下のノルウェー。
この妻のように振舞える人間はどれだけいるだろうか。
映画を見て現代日本の実情に思いをはせる事になるとは想定外だった。
何とかもう少し緩やかに連帯できる社会にできたらいいなと思った。