セリフのない映画で、新しい試みというので見る事にした。
アニメの特性を活かした映画だと思う。
アニメは、背景を自由に作れる。
最近の日本のアニメは、精緻な背景描写に力を入れているようだが、注力すべき所は
別にあるような気がする。
別の方向性を示してくれる作品。
日本のアニメーション関係者は一度見て見る事をおすすめする。
前置きが長くなったが、実は本編については語る事はあまりない。
これは神話というか、大抵の文化圏で共通した概念を用いて、アニメーションの
媒体を使って映画にしたものだと思うので、見た人がどう感じるかどうかが重要で、
はっきりしたストーリーがあるわけではないのだ。
勿論正体不明の危険から逃れる、という基本的な筋はあるのだが、それ自体誰の日常
にもついて回る曖昧なものであり、交通事故に代表される想定外の危険は何処にでも、誰にでも起こりうるものなので、取り立てて珍しいものではない。
謎の巨人に追われ、鳥に導かれて新天地を目指す、危機を脱出する、というのは
神話としてよくあるものなんだろう。
昆虫がまったく出てこない事は気になった。
すっきりした線と海と空の描写がいいので気分転換になると思う。
アニメの作画にうるさい人こそ見るべき。
タイトルが同じだった。面白そう。