スターウォーズ スカイウォーカーの夜明け


予告編(劇場編)「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」MovieNEX

 

大ヒットシリーズの完結編。

綺麗にまとめたと思う。

 

熱狂的なファンの人の感想は不明だが、私は長いシリーズの終わり方としてはこれで

いいと思った。

神話を思わせる設定の映画の主人公は、やはりヒーローとして格好良くいて欲しい。

くよくよされるのも、勝ち誇るのも良くない。

それなりの充足感を持って日々を過ごし、色々ありながらも前を向いて進む人であって

欲しい。

孤独であっても、寂しい思いはしないで欲しい。

そんな観客の思いを体現する主人公として最後を締めてくれたと思う。

 

「超人」であるジェダイやシスが人々から理解されない、排除されるのはある意味仕方ない。

同時に彼らに甘えずに各地で戦う人々の行動が実を結んで悪を倒す、という英雄譚と

してのお約束と、貴種流離譚も併せ持つこの物語らしい結末だったと思う。

 

ただ、血縁が狭すぎる、とは思う。

ルークの物語から引き続き登場のランド・カルリジアンは美味しい役どころ。

負荷を与えず、適度な距離を取り、助力してくれる。

 

主人公の相方役のドロイドはR2シリーズからBBに代わった。

あちこちでドロイドや機械が活躍するのもいい。

日本映画とは背景の情報量が違う。

 

カイロ・レンは重そうな外見(顔立ちや動き)が今一つだったが、最期は良かった。

命を命で贖った、という美しい描写だったと思う。

しかし、何故彼が暗黒面に惹かれたのかは見当もつかなかった。

生まれつきそうだった、としか言いようがないくらいだった。

話を繋げるため、というオチはさておき、不遇な生まれのアナキンが漸く得た力を

自分の為に使えない事で絶望し、権力に取り込まれる気持ちは想像出来るのだが、

カイロ・レンにはその類の動機が見受けられない。

 

両親への反発でシスに惹かれたとかいう設定?

どれだけ極端で世間知らずなんだ?

 

それはともかく、このシリーズの主人公はルークだと思う。

非力な少年が力を得て「特別」になるが、力を得ても非力な人を軽んじない、という

物語の主人公として必要なものを持っている。

 

彼がいたからアナキンとオビワンも救われ、レイも血族の縁を断ち切れたのだと思える。

ルークとレイアに絞ってアナキンとオビワンは声で存在を匂わせるだけにしたのも良かったと思う。

 

この話の主人公はレイだから、観客の視点ではなく彼女の視点で終わるのが妥当だろう。

戦争は人間のものだが、世界は星々のものだ、という事を示す描写で良かった。

 

無理矢理まとめた感はあったが、これはこれでいい。

物語として完結させた方が、観客にとっても「面白かった」と言って追われるからいいのだ。

関係者一同に、完結させてくれて、ありがとうございました。

 


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ジョン・ウィリアムズ/ボストン・ポップス/スター・ウォーズ