支配と暴力の話だった。
ロサンゼルス警察で、内部調査担当になった刑事と、昇進を目指さない警官の話。
とある警官の不審死と、家庭内暴力が問題となり、新人の調査担当者は調査に乗り出す。
とあるベテラン警官の動向が問題となるが、彼への調査は中断に。
その理由はだんだん明らかになる。
昇進を目指さない理由と、不審死が相次ぐ理由も。
若手警官を抱き込み、その妻を利用して情報を得たり売春をさせたり。
好みの女性とは関係を持っていた。
そして邪魔になった人間は不倫現場を見させて殺人をさせて口封じ。
一石二鳥だ。
その上で彼らの財産も奪う。
一介の警官がちょっとした資産家になれる。
そんな上手く行くだろうか、と思うが、警察官はちょっとした権力者だ、という話は
耳にするので、十分可能なのだろう。
単純な暴力によるしはい。性を使って介在する。低俗なほど効果的で有効。
それが良く分かる。
しかしこのベテラン警官は「男」としての自分に余程自信があるのだろうな。
その核心が崩れたらこのやり方は維持出来ない。
リチャード・ギアの一見優し気で何を考えているのか分からない感じは、この役柄に
説得力を持たせたと思う。
ハリウッド映画だが、こんな題材の映画をよく作ったなと思った。
この映画を見てもベテラン警官の真似をして「稼ごう」と考える人が出ない事を望む。
犯罪で成り上がる「利口」な人物。祖国への愛情だけは本物らしい。
司法の盲点をついた映画。これも怖い。
理想も思想も、「女性」の身体がある限り不自由である恐怖。