新少林寺


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権力争いと宗教の関係について。

 

冒頭、少林寺に逃げ込んだ敵対勢力の将軍を追いかけて少林寺に押し入った主人公と側近の部下。

部下は殺害しなかったが、主人公は躊躇せず殺した。

この違いが後々まで影響する。

 

1912年の中国。

軍閥が争い、列強が租界を保持し、人々の生活を脅かす。

主人公は子ども同士の婚姻で主家筋への取り込みを図るが、逆に排除される。

 

そこから主人公は出家して少林寺で僧侶になるべく努める事になる。

主人公への反感から裏切った元側近は列強や軍閥の意向に従い少林寺への押し込みを行うのだが、という話。

 

これは割と骨太な歴史劇だったと思う。

政治的な描写はほぼないが、下らない理由で攻め込んでくる列強、名もなき人々同士で殺し合う中国人、痛めつけられるのはいつも非力な一般人だという事が良く分かる。

 

そんな中でも宗教施設としての意義を忘れず人々を保護し、寺で暴虐を働いた主人公を修行者として受け入れる寛大さ、仏教が掲げる慈悲の実践とは何か、をいう事を伺わせる演出で、素晴らしかった。

 

終盤の主人公と元側近の格闘もいい。

最後、きっと元側近も過去を克服出来たのではないかと思える。

 

宗教と信仰を見世物として扱っていなかったので好感が持てる。

歴史に興味がなくても娯楽作品として作られているので見られる。

お勧め!

 

 

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欧米から見た中国。あまり良くない。

 

 

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収容所からの逃走。寺から追い出された人たちはどうなるのか。

 

 

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ほぼ同じ時期のヨーロッパ。模範的な貴族が活躍!