投資によって損失を出した男の話。
日本でもライブドア株に退職金全額突っ込んだという話聞いた事ある。
テレビ番組で司会を務める主人公。
ある日60000ドルをすったという若者が爆弾を手に番組に乗り込んでくる。
人質に取られた主人公は番組を使って若者の望みを叶えようとするのだが、という話。
これは面白かった。
適当な事を話しているだけに見える主人公やスタッフが、皆本人なりに仕事に真摯に
向き合っている事が分かる作りになっているので、仕事が嫌になってやる気の出ない人、踏ん切りがつかない人に見て欲しい。
犯人役の設定は現実的。
低賃金の仕事にしか就業できず、頑張っても将来展望を持てず、親の大事な遺産も
軽率な行為で無くしてしまって自暴自棄になる。
全て受け入れてくれるはずの恋人からも罵られる。
これがなかなか良い。
日本だとここまで犯人が恋人から公然と罵倒される場面は描かれないだろうなと思う。
会社の言い訳「バグ」に疑問を持ち会社の役員に働き掛けたり、番組のスタッフを使って不正を暴こうとするディレクターや、犯人の代わりに犯人の投資先企業の社長から
不正の「証言」を引き出そうと孤軍奮闘する主人公もいい感じ。
「お飾り」扱いされた広報役員のタンカもなかなかだ。
最後のこれからも日常は続いて行く、という閉めも気持ちよかった。
目くらましとして便利の良い「バグ」という言葉に疑問を持たず慣らされたり、諦めたりしたらダメだという事も想像出来る映画。
人為的なものを機械のせいにしてごまかす事が難なく出来てしまうハイテク社会は
やはり危険だ。
マイナンバー制度はやはり廃止すべきである。
銀行の不正と武器売買。
これも「マネー」の力の恐ろしさが垣間見える。
カネの使い方についてはそれぞれ考えはあると思うが、本の購入は有効な使い道だと
私は思う。