「感情を持てば違法」という全体主義国家が舞台。
何でも感情こそが戦争を引き起こしてきたから、という理由。
感情を抑制する為の薬が与えられ、服用しなければ処刑。
裁判もなく、逮捕され、隔離の後焼却処分を受ける。
主人公は違反者を見付けて処刑する仕事に就いている。
冒頭に女性が連行されるのだが、それは主人公の妻で子どもたちの母親。
これが後に効いてくる。
その後主人公の相方が本を隠し持っている事を問題視され、主人公により処刑される。
彼を手にかけた事により、処分対象の本や音楽、ペットなどに関心を持つようになり、
ついに薬の服用を止める。
上司から疑念の目を向けられた主人公は、どう動くか。
これはアクション映画として宣伝されたが、全体主義を扱った映画だと思う。
主人公が何故か日本刀のようなものを所持しているのだが、全体主義国家としての
日本を暗喩したものなのかもしれない。
工夫さえも疑念の対象になる社会で、結婚して子どもがいるのも不思議だと思うが、
口を利かないような夫婦でもその間に子どもが生まれているという事例もあるので、
それ程不思議な事でもないのだろう。
アクション映画としても面白いが、あくまでも全体主義を扱った映画だと思うので、
そこに目を向けて見て欲しい。お勧め。
「裁判」や「後見人」制度の怖さ。
「全体主義」日本の問題点。
「差別」とは何か。差別は人を殺す。