依頼人である「少年」が事実上の主役。
12歳未満くらいの少年が、弟を連れて森に入り、自殺しようとする弁護士に出会い、
事件に巻き込まれる話。
弁護を引き受けた弁護士が主演だが、話を引っ張るのは少年の方だ。
「少年」マークは貧困な母子家庭で育ち、友達もおらず、頼りになる大人もおらず、
母親と弟を守って生きてきた。
父親は追い出した。
そんな彼がましな現実を掴む為に行動する物語。
傷を負った弁護士を頼りに、マフィアと検察を向こうに回して保護を手に入れる為に
立ち回る様は圧巻だ。
お話だから無事なのはわかっているが、十分ハラハラさせられた。
記憶よりも大人は頼りになっていなかった。
マークが弁護士に言った「帰って母さんと弟の面倒を見ないと」いうものは、過大評価ではなく、妥当な自己評価だと思った。
「少年」に関しては役柄と役者の生い立ちに似たところがあり、監督は気にかけている、という話を何かで読んだが、年不相応な大人っぽさは、役者自身の過去に負うところが多いのだろう。
何年も前にまだ20代の若さで亡くなったように記憶している。残念だ。
この物語の「少年」は、大人になれただろうか。
少し切なく、爽快感のある物語。まだ未見の方は是非一度見て欲しい。
久しぶりに見たが、十分面白かった。
昔は気にならなかったが、マークの痛々しさが少し気になった。
子どもたちの脱出劇。
差別にめげない女性たちの物語。
「少年」の話と言えばこれ。
この話も後に出演者が亡くなっている。合掌。