陰鬱な気配漂う映画。
裏稼業の資金洗浄と政府の癒着について。
何処の国にも恐らくある問題。
主演のユアン・マクレガーが「普通の人」の正義感を発揮していい感じ。
大学教授と弁護士の夫婦が旅行で赴いたモロッコの地でとあるマフィアと知り合い、
関わる事になった亡命作戦を描く。
結婚10年経過で子どもがない夫婦は、やり直すための旅行だったが、妻は仕事を掛け持ちしていた。
時間が空いた夫はレストランで声を掛けてきた男に誘われ「パーティー」に出かけるのだが、そこで襲われている女性を助け、逆に殴られそうになるが、招いたマフィアの男からは認められたのかテニスに誘われる。
そこで主人公は亡命を求める男からMI6に届けて欲しいと情報を託され止む無く引き受けるも、これから主人公の非日常が始まる、という話。
まず胸がスカッとするような場面はない。
暴力の場面はあるがアクションを見せるようなものではない。
「ヒーロー」は登場しない。
ただ、各々の場所で少しでも改善しようと努力する個人が出てくるだけである。
銀行による裏稼業の資金洗浄を題材にした話は他にも見た事はある。
これは銀行開設に当たっての議員とマフィアの繋がりに焦点を当てた映画。
それと最初から悪だった者はいない、という映画でもある。
きっかけは何であれ、自分から悪に染まって行くのだ。
自覚の有無や機会の選択肢の有無など残酷な差はあるが。
「いい奴から先に死ぬ」というのは多分そういう事なのだ。
「死ねば英霊」も同じ考えだ。恐らく。
曲がりなりにも正義を求めるMI6の局員が悪し様に言われながらも格闘するのは一般人としては心強い。
最後吹っ切れた風なのも良かった。
ロシアマフィアの子どもたちは可愛かった。
現実の腐敗を放置するか、改善するべく取り組むか、各人の行動が明日を作り、変えて行くという事が分かる映画でもあった。
辛気臭いけど面白かった。お勧めだ。
銀行による資金洗浄と暗闘を描いた映画。面白い。
戦争で稼ぐ政府と軍事企業。
紛争で稼ぐ政府関係者の話。
原作者。彼の話は興味深い。