フランスからのアフリカ植民地独立の経緯を、実際の事件を基に描く。
ソマリアでバスジャックが発生し、小学生と教師が人質に。
地元の憲兵だけでは不足とみたフランス政府の命令により、特殊部隊が事件解決と
人質救出に向かう。
人質に米国人もいたことから、米国の軍人も派遣されてくる。
誰が主導権を持つかでもめかけるも、現地に近い地区の司令官である将軍が指揮命令
することに。
主人公は特殊部隊の指揮官である。
犯人は地元住民と思しき人々で、「子どもたちの将来の為に戦う」と。
願いはフランスからの独立だ。
フランス政府は時間稼ぎと金での解決を考えるが、金の問題ではないと考える主人公と
犯人グループ。
米国軍人も巻き込んで救出作戦を実行する主人公は、中々発砲の許可を出さないフランス政府と将軍に焦れるのだが、という話。
実話が題材だけあって非常に重い。
分かりやすい「正義の対立」であり、どちらにも理はあるので難しい案件でもある。
「子どもを盾にする」のは悪い事ではあるが、権力者に近づくのは容易ではないので
ある意味仕方ない面もある。
フランスだけではないが植民地支配が過酷なのは否定出来ないしな。
現実としての暴力の問題であり、暴力でしか事態が動かせないという残念な事実を示す
映画でもある。
この事件の1年後ジブチ共和国は独立を果たす。
事件の成果かもしれない。
この事件での死亡女児については「テロの犠牲者」とは認められていないそうだ。
事件は隠されているのだろう。
何故隠す必要があるのか?
ジブチ共和国は独立したのに。
暴力の成果事例にしたくないからだろうか。
とすればこの事件にはやはり意義があったのだろう。
死者が無駄でなかったと喜ぶべきか?
やはり暴力の成果にしてしまったことを懸念すべきか?
何とも言い難い。
貴方はどう思う?
この映画を見て考えて欲しい。
派手さはないが良い映画だった。
まだまだ植民地支配が行われていた「古き良き時代」の冒険譚。
「暴力による支配」の話。
現代の「戦争」。